1.2005年に当時20代であったソヒエフを首席指揮者兼ミュージック・アドヴァイザーとして迎えたことは、大きなニュースでした。プラッソンという大御所の後に彼のような若い指揮者を迎えたことにはどのような理由があったのでしょうか。

 

ミシェル・プラッソンは、35年の間音楽監督を務め、オーケストラとは100枚以上のフランス音楽のCDを録音しました。言わずもがなですが、私たちにとって適正な後継者を探すことは大きな挑戦であったのです。優秀で才能に恵まれた、そしてオーケストラとの芸術的関係を持つ指揮者を探す必要があったのです。2003年−2004年シーズンの間に、30人以上の指揮者と共演しました。トゥガン・ソヒエフはその中で最も若い指揮者でしたが、これまでオーケストラが出会った中で、間違いなく最も才能にあふれた指揮者でした。彼がプラッソンの後継者となることは、疑いようもなく明らかだったのです。私たちは、彼の若さは、若い聴衆を私たちのコンサートに引き付ける強みだと考えていました。

 

 

2.ソヒエフとの関係は、2008年以降音楽監督としてより強固なものになりましたが、2005年の首席指揮者兼ミュージック・アドヴァイザー就任後、オーケストラと指揮者の間にどのような化学変化が起きたのでしょうか。

 

2003年10月に行われた、最初の共演(プロコフィエフ作曲の「ロメオとジュリエット」でした)の際、すぐさま化学変化がおこりました。この素晴らしい関係は、オーケストラとソヒエフが(その後)共演を重ね、互いに信頼を深めていくに従って、ますます良い方向へと向かっていきました。事実、3年の間に飛躍的にオーケストラを発展に導いたのです。
オーケストラは、真に素晴らしい音の個性を持ち、広大なレパートリーを手にしました。


3.オーケストラにとって、トゥガン・ソヒエフという人の魅力はどのようなところにあるとお考えですか?

 

私たちの観点から言えば、彼の魅力は、リズム感、色彩感、細部の扱い、正確さ、エネルギー、そしてカリスマ性です。彼は音楽を構築させていく素晴らしいセンスを持っているのです。
ソヒエフは、非常に集中した中でのリハーサルを行います。音楽家たちは彼に全幅の信頼を置いているのです。彼とのコンサートはいまだに特別な体験です。こういったことは、今日において、そうあることではありません。
オーケストラと彼は、聴衆との、特に若い聴衆との特別なつながりをより強く結びつけていっています。


4.オーケストラと指揮者の関係というものは、どのようであるべきと考えられますか?

 

まずはじめに、指揮者とオーケストラとの間には、完全な共感と音楽的に化学変化を起こしていく関係が必要です。この関係には、両者の完全なる信頼に基づいていなければなりません。長い関係においては、おそらくある種の柔軟さも必要ですね。


5.この秋にはピエール=ロラン・エマール氏を迎えてのラヴェルのピアノ協奏曲、交響曲ではチャイコフスキーやショスタコーヴィチと、やはりロシアとフランスの作品が並びますが、今後のオーケストラの展望、向かっていく先をお教えください。

 

モーツァルトやハイドンなどの作曲家たちによる、より“古典的”なものですね。その他、ロシア人作曲家シチェドリンへの委嘱作品をはじめとする現代音楽や、フランス人作曲家の作品、オペラなどを取り上げていきたいと思っています。
トゥールーズ・キャピトル国立管弦楽団は、トゥールーズ・キャピトル劇場のオーケストラでもあります。ですので、私たちは、そこでの音楽監督(フランス人やイタリア人など...)とともにより多くのオペラを手掛けていくことでしょう。視聴覚メディアの有効利用(コンサートのインターネット配信など)も進めていきたいですね。もちろん、CDやDVDの制作も続けていきます。
プラッソンの時代には、オーケストラはもっぱらフレンチ・レパートリーを広げてきました。今はフランス音楽とロシア音楽。ですので、この次はドイツ音楽、そして現代のレパートリーだと考えています。